歯茎の中をよく調べることで、歯周病の進行状態や回復状態が判断できます。

ごく軽い力で、プローブという器具を歯周ポケットに挿入します。深さを測ったり、歯茎の内側を触って状態を確認します。
平日 9:00~12:30 3:00~9:00
土曜日は18:00まで。
※木曜日午前は在宅診療(往診)のみ
休診日:木曜日午前・日曜日・祝祭日
一般の方が思われている「歯が失われる原因ナンバー1」は「むし歯」だそうですが、実際はそうではありません。
実は、ナンバー1は「歯周病」です。歯周病とは、歯周組織が歯垢(プラーク)に含まれている『歯周病菌(細菌) 』に感染し、歯肉(歯茎)が腫れたり、出血したり、最終的には歯が抜けてしまう、歯の周りの病気の総称で、歯周病の初期では自覚症状がほとんどないので気付いていない方が多いだけで、実際には日本人の成人の約80%が歯周病(歯肉炎or歯周炎)にかかっているといわれています。
歯周病と同じ意味で「歯槽膿漏(しそうのうろう)」という言葉もありますが、歯槽膿漏は字のごとく、「歯周組織から膿(うみ)が出る」症状のことなので、厳密にいえば歯槽膿漏は歯周病の一症状のことなのですが、最近では「歯槽膿漏=歯周病」として、歯槽膿漏という言葉はあまり使われなくなり、歯槽膿漏を含めて歯周病という言葉を使う事が多くなっています。
上記の項目3つ以上あてはまる方は要注意です。自分および歯科医院で予防するように努めましょう。6つあてはまる方は歯周病が進行している可能性があります。お早めに治療を受けることが重要です。
正常 | ![]() |
歯の付け根にプラークがたまっておらず、炎症などもない歯茎が健康な状態です。 |
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軽度 | ![]() |
歯の付け根にプラークがたまり、炎症を起こしはじめます。 |
中等度 | ![]() |
プラークが石灰化してできた歯石が大きくなるにつれて歯根膜(歯と歯肉をくっつけている膜)が溶かされ、歯周ポケット(歯と歯肉の間のすき間)ができてしまいます。歯肉が腫れて膿が出だし、歯槽骨(歯を支える骨)の破壊がはじまっています。 |
重度 | ![]() |
炎症が進行し歯槽骨が壊され、歯がグラグラします。歯根が見える状態までになると、血や膿も出て口臭もひどくなります。 |
歯周病は患者さんと歯科医師・歯科衛生士が連携し、治療していきます。
ごく軽い力で、プローブという器具を歯周ポケットに挿入します。深さを測ったり、歯茎の内側を触って状態を確認します。
【歯周ポケットの深さによる状態の目安】
2mm以下 健康
2~6mm以下 歯周病の可能性がある。
6mm以上 歯周病が進行している可能性がある。
口の中が不潔になっていると、歯周病菌が唾液に混じって気管を通り、気管支から肺へと感染し炎症をひきおこします。
歯周病菌は呼吸器に炎症をひきおこす細菌が住み着くのを助ける役割をもっています。
老人のは肺炎の70%は、この誤嚥(ごえん)性肺炎です。
口腔ケアは、患者さんの命に関わりますので、若いうちからお口の健康を保つことが非常に大切です。
糖尿病はサイレントキラー(沈黙の殺し屋)と呼ばれるように、自覚症状がないまま進行するのが特徴です。歯周病が糖尿病を引き起こすわけではありませんが、歯周病を治療しないと、炎症によるケミカルメディエーターの量が増え全身に広がります。
そして筋肉細胞や脂肪細胞に作用して糖の代謝機能を妨げます。
さらに、肝臓の働きを鈍らせ、ブドウ糖の代謝を低下させます。
こうして歯周病は、血液中の糖の濃度を下げるホルモンであるインスリンを作用しにくくさせ、糖尿病は悪化傾向をたどっていきます。
しかし、歯周病をきちんと治療することによって糖尿病も改善されます。
妊婦が歯周病にかかっていると、低体重児出産(早産)になる可能性が高まると報告されています。
歯周病が進行して歯肉の炎症が強くなると、歯周組織中のプロスタグランディンE2が増えます。このプロスタグランディンE2は陣痛促進剤として使われていますので、歯周病と低体重児出産の関連性に注目されるようになりました。
普段からの定期的な歯科受診が大切です。
もともと心臓弁や心内膜壁に障害のある人は、血液中に入り込んだ歯周病菌が心内膜に定着し、細菌性心内膜炎を引き起こす可能性があります。
また、最近の研究では歯周病菌が産生する炎症性物質や毒素が血栓をつくり動脈硬化を進行させる可能性が指摘おり、血管内(冠動脈)に歯周病菌が見つかったと報告もされています。それが原因で心疾患や脳卒中を引き起こします。
歯周組織の健康状態・歯周病の進行程度や原因を把握し、治療方針を決定する為の指標となります。
具体的には歯周ポケット(歯と歯肉の隙間)の深さ、出血・排膿の有無、歯の動揺などをチェックします。
歯肉の上(歯肉縁上)の見えている歯石を除去します。
一通り歯肉縁上の歯石を取り終えたところで、歯肉がどの程度健康を取り戻しているか検査します。
歯肉の中(歯肉縁下)の歯石を除去します。プラークや歯石によって汚染された病的な組織を除去して歯根の表面を滑沢にします。
ルートプレーニングを行った結果、改善状況を確認します。
健康な状態に回復していない場合は歯周外科手術をうける場合もあります。改善がみられ安定している場合はメインテナンスに移行します。
歯周病は治療が終わってからが肝心です。
再発防止と健康な状態を維持していくために、定期的に検査と予防処置を行う事が必要です。